キャリアアップ助成金 ”諸手当制度共通化コース”を解説

こんにちは。東京都助成金サポートセンターです。
こちらのコラムでは毎回、皆様にとって役立つ助成金の情報をお伝えしていきます。
今回の記事は
「キャリアアップ助成金解説」、「正社員化コース解説」、「賃金規定等共通化コース解説」
の続きとなります。
今回ご紹介するのはキャリアアップ助成金の 「諸手当制度共通化コース」です。
1.キャリアアップ諸手当制度共通化コース
キャリアアップ助成金とは(繰り返しになりますが)
いわゆる「非正規雇用労働者」の企業内におけるキャリアアップへの取組を実施した事業主に対して助成金が給付される制度です。
諸手当制度共通化コースはそんな、派遣労働者や契約社員などの非正規雇用労働者に関して、
正規社員と共通の諸手当に関する制度を新たに設け、適用した事業主に支給される助成金です。
非正規社員であっても正社員と同じ仕事をしているのであれば、同じような待遇・手当を設けることで
従業員のモチベーションをあげること(生産性の向上)・離職率を下げることが期待できます。
2.支給要件
諸手当制度共通化コースにおいて、対象となる事業主については以下の要件を満たす必要があります。
- 正規雇用労働者に係る諸手当制度を、新たに設ける有期契約労働者等の諸手当制度と同時又はそれ以前に導入している
- 有期契約労働者等の諸手当の支給について、正規雇用労働者と同額又は同一の算定方法としていること
- 当該諸手当制度を全ての有期契約労働者等と正規雇用労働者に適用させている
- 当該諸手当制度を6か月以上運用している
- 適用を受ける全ての有期契約労働者等と正規雇用労働者について、適用前と比べて基本給等を減額していない
- 支給申請日において当該諸手当制度を継続して運用している
- 生産性要件を満たした場合の支給額の適用を受ける場合にあっては、当該生産性要件を満たしている
他の要件としては、
雇用保険適用事業所の事業主であることや、助成金支給のための審査に協力する等、他のコースと同じ要件があります。
また支給の対象となる手当については下記11個のものとなります。
これらいずれかを新たに導入し、正規雇用労働者と同じ条件にて適用することが求められます。
- 賞与
一般的には労働者の勤務成績に応じて定期又は臨時に支給されるいわゆるボーナス
- 役職手当
管理職等職制上の責任のある労働者に対し、役割やに応じて支給される手当
- 特殊作業手当・特殊勤務手当
著しく危険、不快、不健康又は困難な勤務に従事する労働者に対し、その勤務の特殊性に応じて支給される手当
- 精皆勤手当
労働者の出勤奨励を目的に、事業主が決めた出勤成績を満たしている場合に支給される手当
- 食事手当
勤務時間内における食費支出を補助することを目的として支給される手当
- 単身赴任手当
同居していた扶養親族と別居することとなった労働者に対し、異動前の住居又は事業所と異動後の住居又は事業所との間の距離等に応じて支給される手当
- 地域手当
複数の地域に事業所を有する場合に、特定地域に所在する事業所に勤務する労働者に対し、勤務地の物価や生活様式の地域差等に応じて支給される手当
- 家族手当
扶養親族のある労働者に対して、扶養親族の続柄や人数等に応じて支給される手当
- 住宅手当
自ら居住するための住宅又は単身赴任する者で扶養親族が居住するための住宅を借り受け又は所有している労働者に対し、支払っている家賃等に応じて支給される手当
- 時間外労働手当
労働基準法に基づき法定労働時間を超えた労働時間に対する割増賃金として支給される手当
- 深夜・休日労働手当
労働者に対して、労働基準法に基づき休日の労働に対する割増賃金として支給される手当又は午後10時から午前5時までの労働に対する割増賃金として支給される手当
※時間外労働手当及び深夜・休日労働手当については法定の割増率を超えて支払うものであること。
※割増率については、「法定の下限の率を5%以上加算した場合」が対象となります。
※よって、時間外労働と深夜労働は30%以上、休日労働は40%以上の割増賃金を支給される場合に対象となります。
3.支給金額について
〇中小企業
- 1事業所当たり : 38万円【48万円】
〇大企業の場合
- 1事業所当たり :28万5,000円【36万円】
※中小企業事業主について対象は以下範囲の事業主です。
小売業(飲食店含む):資本金5,000万円以下または常時雇用する労働者が50人以下
サービス業 :資本金5,000万円以下または常時雇用する労働者が100人以下
卸売業 :資本金1億円以下または常時雇用する労働者が100人以下
その他の業種 :資本金3億円以下または常時雇用する労働者が300人以下
【】内は生産性要件クリアの場合の金額です。
1事業所当たり1回のみの申請となります。
共通化した労働者の2人目から、あるいは共通化した手当が複数ある場合、2つ目から助成額が加算されます
4.申請の流れについて
申請期間は、初回の諸手当の支給後6か月分の賃金を支給した日の翌日から起算して2か月以内です。
支給の流れとしては
①キャリアアップ計画の作成・提出(賃金規定等を共通化する日までに提出)
他コース同様、雇用保険適用事業所ごとに「キャリアアップ管理者」を配置し、キャリアアップ計画を作成します。
↓
②諸手当制度の共通化の実施
共通化後の雇用契約書や労働条件通知書を対象労働者に交付します。
諸手当は共通化前と比べて減額していないこと。
↓
③諸手当制度共通化後に6か月分の賃金(手当)を支給、支給申請
共通化後6か月分の賃金を支給した日の翌日から起算して2か月以内に支給申請
※ 就業規則等の規定により、時間外手当を実績に応じ基本給等とは別に翌月等に支給している場合、6か月分の時間外手当が支給される日を賃金を支給した日とします(時間外勤務の実績がなく、結果として支給がない場合を含みます)
↓
④助成金の支給
いかがでしたでしょうか。
住宅手当等の諸手当が付くと、やはり労働者は働きやすいと感じ、長く勤めたいとも思います。
長く勤めたいと思ってくれれば離職率は低下し、引継ぎ作業等に追われることもありません。
従業員のモチベーションアップや生産性向上にもつながり助成金ももらえるため是非同助成金をご活用ください。
キャリアアップ助成金を受給可能かどうかは無料診断でお答えいたしますので是非お問い合わせください。