こんにちは。東京都助成金サポートセンターです。

こちらのコラムでは毎回、皆様にとって役立つ助成金の情報をお伝えしていきます。
 

今回は前回に引き続き両立支援等助成金の解説です。
 

この記事では「育児休業等支援コース」を説明いたします。

※本記事での両立支援等助成金の解説は平成30年度版になります。
 

両立支援等助成金に自体に関する記事は前回の記事をご参考ください。

参考:両立支援等助成金”出生時両立支援コース”を解説

 

 

1.育児休業等支援コースとは


育児休業等支援コースとは労働者に育児休暇を取得させた後に職場復帰させた事業主に支給される助成金です。
 

同助成金は働く女性が安心して出産・育児と仕事を両立することができるように各企業の職場環境を整えることを目的としています。
 

このコースのは他のコースと違い、中小企業事業主のみが対象となっています。

 

また取り組みに応じ、以下の3パターンに分けられることも大きな特徴です。

  • 育休取得時・職場復帰時
  • 代替要員確保時
  • 職場復帰後支援

 
各パターンに応じ、要件や支給金額も変わります。

 

 

2.育休取得・職場復帰のパターン


育休復帰支援プランを作成し、プランに従って労働者に育児休暇を取得・職場復帰させた場合に助成金が支給されます。
 

i支給金額

 

育休取得時に 28.5万円【36万円】

職場復帰時に 28.5万円【36万円】

職場支援加算(職場復帰時支給金額に加算) 19万円【24万円】 
 

※1事業主2人まで支給(無期労働者1人、有期労働者1人)となります。

※【】内は生産性要件をクリアした場合の金額

参考:厚生労働省HP<生産性要件について>
 

 

ii支給要件

 

<育休取得時の場合>

  • 対象となる労働者が休業するまでの働き方、引き継ぎのスケジュール、復帰後の働き方等について上司または人事担当者と面談を実施し、面談結果を記録する
  • 育休復帰支援プランを作成し、対象労働者の育児休業開始日までに業務の引き継ぎを実施
  • 対象労働者に3ヶ月以上の育児休業を取得させる(産後休業を取得する場合は産後休業を含めて3ヶ月以上)

 

<職場復帰時の場合>

  • 育休復帰支援プランに沿って、対象労働者の休業中に職場情報や資料の提供をする
  • 職場復帰前と職場復帰後に上司または人事担当者と面談を実施、面談結果を記録
  • 原則として元の職場に復帰させ6ヶ月以上継続雇用する

 

また職場支援加算分を受給するためには以下の要件をクリアします。

  • 育児休業取得者の業務を一定要件を満たす職場の従業員に代替させている
  • 業務の見直し効率化のための取組を実施していること
  • 代替業務に対応した賃金制度を規定し、代替期間中の1か月ごとの賃金を1万円以上増額させる
  • 代替期間中の1か月ごとの所定外労働時間が7時間を下回ること

 

 

3.代替要員確保のパターン


育児休暇を取得した労働者の代替要員を確保したうえで休暇取得者を原職に復帰させた場合に助成金が支給されます。
 

i支給金額

 

支給対象労働者1人当たり 47.5万円【60万円】

有期契約労働者の場合の加算 9.5万円【12万円】

※支給対象期間は5年間、支給人数は1年度当たり10人まで

※【】内は生産性要件をクリアした場合の金額
 

 

ii支給要件

  • 育児休業取得者の職場復帰前に、育児休業が終了した労働者を原職等に復帰させる旨を就業規則等に規定すること
  • 対象者が3ヶ月以上育児休業を取得し、事業主が休業期間中の代替要員を新たに確保すること
  • 対象者を上記規定に基づき原職等に復帰させ、さらに6ヶ月以上継続雇用すること

 

 

4.職場復帰後支援のパターン


育休からの復帰後に仕事と育児の両立が特に困難な時期になる労働者のために新たな制度を導入するなどして支援に取り組んだ場合に支給される助成金。
 

i支給金額

 

制度導入 28.5万円【36万円】

制度利用
A:看護休暇制度 1,000円【1,200円】×時間

B:保育サービス費用補助制度 実費の2/3

※制度利用について1企業当たりの上限はA:200時間【240時間】、B:20万円【24万円】

※【】内は生産性要件をクリアした場合の金額
 

 

ii支給要件

  • 育児・介護休業法を上回る「A:子の看護休暇制度」または「B:保育サービス費用補助制度」を導入する
  • 対象の育児休業取得者が1ヶ月以上の育児休業から復帰した後6ヶ月以内において、導入した制度の一定の利用実績(A:子の看護休暇制度は20時間以上の取得、B:保育サービス費用補助制度は3万円以上の補助)がある

 

参考:厚生労働省HP<両立支援等助成金について>

参考:厚生労働省HP<育児休業等支援コースについて>

職場復帰する女性
 


いかがでしたでしょうか。
 

育児休業等支援コースは出生時両立支援コースと同じく要件がわかりやすい助成金です。
 

女性社員を抱える企業にとっては、育休・職場復帰は避けて通れない課題です。

助成金制度を使い、取組を行って働きやすい場を作ることも生産性の向上に繋がるので、ご検討してみてはいかがでしょうか。

 

都内で同助成金の申請をお考えの方は東京都助成金サポートセンターまでお問い合わせください。

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