こんにちは。東京都助成金サポートセンターです。

こちらのコラムでは毎回、皆様にとって役立つ助成金の情報をお伝えしていきます。
今回は、雇用に関しての助成金として最もポピュラーな「キャリアアップ助成金」について、今年度の変更点を交えて解説いたします。

 

非正規雇用労働者増加の問題は今や社会問題になっており、働き方改革など、非正規雇用労働者の地位や処遇の課題は優先的なものとして政府も対策を行っています。
キャリアアップ助成金はその課題を解決するための1手段として設立された助成金制度であり、要件をクリアすれば企業の規模を問わず受給が可能な助成金です。(受給額自体は企業規模によって異なりますのでご注意ください。)
また支給要件や取り組みも他の助成金と比較すると、とても明確でそれ故に人気の助成金です。
さらに今回の改正によって一部のコースは内容が拡充されて、より利用しやすくなっています。
活用されていない事業主の方は自社の生産性拡大、社員の定着率アップのためにも当記事をご参考いただき、申請をご検討ください。

 

1.キャリアアップ助成金とは


キャリアアップ助成金とは、契約社員やアルバイト、パートタイマーなど非正規雇用の労働者について、正社員化やそのほか賃金や手当制度を正社員と共通化にするなど処遇の改善に関する取組を実施した事業主に助成金が支払われる制度です。
文字通り、非正規雇用労働者の社内でのキャリアアップを促すための制度です。
同制度は以下の7つのコースに分かれ、各コースの要件を満たした際に助成金を受け取ることが出来ます。

  • 正社員化コース
    非正規雇用労働者等を正規雇用として転換または直接に雇用すると助成
    有期契約→無期契約の際にも助成金を受給可能

 

  • 賃金規定等改定コース
    すべてもしくは一部の非正規雇用労働者の賃金規定等を従来のものより増額・改定させた際に助成金を受給

 

  • 健康診断制度コース
    労働安全衛生法上義務づけられている健康診断以外の一定の健康診断制度(がん検診や歯周病検診等)を新たに規定し、非正規雇用の労働者に適用した場合に助成金を受給

 

  • 賃金規定等共通化コース
    非正規雇用労働者が正規雇用労働者と同じ内容の業務を行っている場合、正規雇用労働者と同じ給料を支払う等、共通の賃金規定・待遇を適用した際に助成

 

  • 諸手当制度共通化コース
    非正規雇用労働者に関して、正規社員と共通の諸手当(賞与や住宅手当等)に関する制度を新たに設け、適用した場合に助成金が支給される

 

  • 選択的適用拡大導入時処遇改善コース
    労使合意に基づき社会保険適用拡大の措置を実施し、新たに被保険者とした非正規雇用労働者の基本給を増額した際に助成を受けることが可能

 

  • 短時間労働者労働時間延長コース
    短時間労働者の週所定労働時間を5時間以上延長し、当該労働者が新たに社会保険適用となった場合に助成を受けることが可能

 

2.生産性について


各支給要件の取り組みを実施後、一定の生産性の向上があった場合には上乗せで助成金を受給することが出来ますが、これを「生産性要件」といいます。
規定の数式から算出された生産性の数値について伸び率を満たしていればボーナスとして助成金を受給できます。

 

3.2019年度変更点1(選択的適用拡大導入時処遇改善コース)


まず、 2019年度で改正されたのは「選択的適用拡大導入時処遇改善コース」です。
下記の項目が拡充となりました。

  • 下図の通り1人当たり支給額が増額
  • 1年度に申請可能な上限人数を1適用事業所あたり30人から45人に増員

選択的適用拡大導入時処遇改善コース支給金額変更
選択的適用拡大導入時処遇改善コースについては平成31年度までで終了の予定となりますのでご注意ください。

 

4.2019年度変更点2(短時間労働者労働時間延長コース)


短時間労働者労働時間延長コースも以下の通り、内容が拡充されます。

  • 支給額の引き上げ
  • 1年度に申請可能な上限人数を1適用事業所あたり15人から45人に増員

短時間労働者労働時間延長コース支給金額変更

 

5.2019年度変更点3(賃金規定等共通化コース)


賃金規定等共通化コースについては下記の通りの変更となります。

  • 職務評価加算の支給が1適用事業所当たり1回のみに変更

 

参考:厚生労働省HP キャリアアップ助成金

歩行

 

6.まとめ


非正規雇用の労働者は被雇用者のうちの約4割を占め、依然として高い水準になっています。
多くの企業が非正規雇用の労働者を抱えていますが、非正規社員は給料が低いことや雇用が不安定であったり、スキルアップの機会も少ないことなど正社員との格差があり、それによって離職率も高いものとなります。
離職率が高ければ、新しい人材を採用することにかかる費用の増額や、現場への負担が増え新しい離職者を生むなど、企業にとってもマイナスな点も出てきます。
キャリアアップ助成金は、非正規雇用者の地位・処遇の改善を行うことで生産性の向上に繋げます。
待遇が良くなれば職場への定着率も上がるので長く会社の戦略として貢献してくれる可能性も高まります。
また中小企業であれば助成額も増えるので、資金繰りが苦しくとも将来的な事業を見据えて、現在から社員の待遇を見直していくことは必要不可欠です。
同助成金をうまく活用して、自社の社員の成長=会社の成長に繋げましょう。

当センターでは今年度特に今年度は正社員化コースと諸手当制度共通化コースの申請サポートに力を入れております。

 

キャリアアップ助成金を受給可能かどうかは無料診断でお答えいたしますので是非お問い合わせください。

申請書類の作成や要件クリアのための指示等その他のサポートを含め助成金が受け取れるようにご支援いたします。